HIV感染症・エイズ(AIDS)
日本ではHIVはそれほど広がってはいませんが、公衆衛生上の脅威であることは間違いありません。
また、多くの国でHIVの感染者は減っていますが、日本では横ばいが続いています。
特に男性の同性愛者は注意が必要です。
HIV感染に不安がある場合はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の検査を行いましょう。
HIVとエイズ(AIDS)の違い
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)は、免疫細胞(CD4陽性Tリンパ球)に感染して破壊するウイルスです。
治療を行わずに放置すると免疫力が徐々に低下し、健康な人ならかからないような感染症(日和見感染症)にかかります。その状態をエイズ(AIDS:後天性免疫不全症候群)と呼びます。
現在は抗HIV薬が進歩したため、早期に発見して治療(1日1回などの服薬)を継続すれば、エイズの発症を防ぎ、ウイルス量を検出限界値未満(他人に感染させない状態:U=U)まで抑えて通常の寿命を全うすることが可能です。
HIV感染の経過と主な症状
感染からの時期によって症状が異なります。
- 急性期(感染後2〜4週間):発熱、倦怠感、喉の痛み、リンパ節の腫れ、筋肉痛、皮疹など、インフルエンザに似た症状が出現します(数日〜数週間で自然に軽快します)。
- 無症候期(感染後 数年〜10年程度):自覚症状がほとんどない期間が長く続きますが、体内で免疫細胞が徐々に破壊されていきます。
- エイズ期:重度の免疫不全により、肺炎(ニューモシスチス肺炎など)、カンジダ症、悪性リンパ腫など様々な疾患を発症します。
HIVの検査方法
血液よる検査を行います。
スクリーニング検査では第4世代HIVスクリーニング検査を行います。
当院では最短20分で判明する即日迅速検査もあります。
HIV-1 RNA検査は第4世代HIVスクリーニング検査と比べ早期に検出が可能(2週間以降)ですが、結果の判明までに数日かかるので、スクリーニングには適しません。
- 第4世代HIVスクリーニング検査:感染機会から4週間以上経ってから検査可
- HIV-1 RNA検査(NAT検査):感染機会から2週間以上経ってから検査可
※感染初期は血液中に抗体や抗原が検出されない期間(ウインドウピリオド)があります。スクリーニング検査では感染機会から約2ヶ月以上経過してからの検査で確実な判定が可能です。
HIVの予防内服(PrEP・PEP)
性行為の前後に抗HIV薬を服用することで、HIV感染を未然に防ぐ予防療法です。
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PrEP(曝露前予防内服)
HIVに感染していない方が、性行為の前から定期的に薬を服用することで、HIVに感染するリスクを99%以上低減させる予防法です。
毎日内服する「デイリーPrEP」や、行為の前後に内服する「オンデマンドPrEP」があります。 -
PEP(曝露後予防内服・緊急予防)
コンドームの破損や相手のHIV感染の可能性がある行為から72時間以内(できるだけ早期)に抗HIV薬の服用を開始し、28日間継続することで感染リスクを極めて低く抑える緊急予防法です。
HIV感染症の治療
万が一HIV陽性が確認された場合、早期に専門の医療機関と連携して抗HIV療法(ART)を開始します。
1日1錠の内服を続けることで血中のウイルスを完全に抑え込むことができ、他者への感染リスクもゼロにすることができます(U=U: Undetectable = Untransmittable)。
費用
- HIV即日迅速検査:4,500円
- HIV精密検査(第4世代):4,000円
- HIV-1 RNA定量検査:11,000円
- PrEP(予防内服):9,900円/1ヶ月 22,000円/3ヶ月
- PEP(緊急予防内服):28日分 55,000円
東京プレイヤーズクリニック 院長
河野 太郎 Taro Kono, M.D.
年間1万人以上の性感染症診療を行っている。性感染症の予防、早期発見・早期治療に注力。エビデンスに基づいたわかりやすい医療情報の発信を心がけています。
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