B型肝炎ワクチン(ヘプタバックスⅡ/ビームゲン)
B型肝炎ワクチン
B型肝炎ワクチンについて
B型肝炎ウイルス(HBV)感染を予防する目的で使われる不活化ワクチンです。
日本で承認されているのはヘプタバックスⅡ(MSD社)とビームゲン(KMバイオロジクス)の2種類です。どちらもHBs抗原に対する抗体産生を促し、多くの成人で90%前後が十分な抗体価(10 mIU/mL以上)を獲得します。
一部の対象者(1歳未満の乳児など)は公費での接種が可能ですが、成人の場合は自費診療での接種となります。
こういう方におすすめ
- 性風俗産業に従事する方/店舗運営者・スタッフ
- 複数の性的パートナーがいる/コンドーム使用が安定しないなど、性的曝露リスクが高い方
- 過去にB型肝炎ワクチンを受けた記録がない、あるいはHBs抗体が陰性と判定された方
- 医療従事者・検査技師・歯科医療従事者など、血液や体液に触れる可能性がある方
- 介護・福祉現場で働く方、保育士・教員など、日常的に他者と接触が多い職種の方
- 海外(特にHBV流行地域)へ長期滞在・赴任・留学・医療ボランティアに行く予定がある方
- 家族や同居人にHBs抗原陽性者(キャリア/慢性肝炎)がいる方
- 今後、免疫抑制療法・透析・造血幹細胞移植などを受ける可能性があり、事前に感染予防を強化したい方
- 刺青・ピアス・美容医療などで血液曝露の機会がある方
接種スケジュール
- 初回接種:0日目(来院日)
- 2回目:初回接種の4週間後
- 3回目:初回接種の20-24週間後
期待される効果
3回接種完了後、成人の多くでHBs抗体が陽性化します。HBs抗体が一旦陽性となると、B型肝炎ウイルスへの感染をほぼ防ぐことができます。抗体価は時間とともに低下しますが、免疫正常者では免疫記憶が残存し、抗体価が陰性化しても追加接種は必要ありません(透析患者・免疫不全など一部を除く)。
副作用・注意事項
- 注射部位の疼痛・発赤・腫脹:10~30%程度(数日以内に軽快)
- 発熱・倦怠感・頭痛・筋肉痛:数%程度
- まれにアナフィラキシー(接種後15分間は院内で経過観察)
- 重篤な卵アレルギー・酵母アレルギーなどがある方は事前にご相談ください。
- 妊娠中も禁忌ではありませんが、必要性と安全性を個別判断します。
料金(自由診療・税込)
- 相談のみ
- 2,000円
- B型肝炎ワクチン
- 5,500円/1回あたり
- 抗体確認検査(HBs抗体検査)
- 4,000円
よくある質問
- どちらの製剤(ヘプタバックスⅡ/ビームゲン)を選べば良いですか?
- 効果や安全性に大きな差はありません。在庫状況や接種量の違い程度ですので、特に希望がなければ当院で適切な方をご案内します。
- 2回でやめてしまいました。3回目だけ受けても意味がありますか?
- 免疫獲得率を高めるため、可能であれば規定回数を完了させることを推奨します。途中から再開する場合も、接種済み回数に応じてスケジュールを再設定しますのでご相談ください。
- 抗体がついたかどうか確認できますか?
- HBs抗体検査で確認できます。職場提出用の証明書も発行可能です。
- どのくらい効果が続きますか?
- 抗体価は徐々に低下しますが、免疫正常者では免疫記憶が残存し、抗体価が陰性化しても追加接種は必要ありません(透析患者・免疫不全など一部を除く)。